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初代GALAXY Noteの考え抜かれたUX設計とたった一つの失敗

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製品画像 | GALAXY Note | ちょっと大きいと、すごく使える。

最近4が発表された人気シリーズのGALAXY Noteだが、わたしは初代GALAXY Noteを持っている。

2012年に発売された5.3インチディスプレイのこの端末は今で言うファブレットの走りで、当時その大きさは衝撃的であった。いまiPhone6 plusに対して「でかすぎてあれで電話してたらバカみたいだ」などと言われているが、この端末も、発売当時は同じようなことを言われていた。

 

デカ過ぎて売れるわけない、という話もたくさん聞いた。その評価が正しかったのかは、今のスマートフォン大型化傾向をみれば自ずと見えてくるであろう。

Samsungというと、とかくiPhoneの後追い・パクリと言われることが多く、たしかにそれは否定しないが、しかしことファブレット・大型スマートフォンに関してはまさにリスクを恐れず市場を切り拓いたパイオニアであろうことは疑いようがない。

 

ノートとペン

さて、そんなGALAXY Noteだが、この製品は本来ファブレットを目指した訳ではなく、製品名の通り「ノート」を志向していた。どちらかというと、ノートとして適切な大きさを模索した結果、副次的に画面が大きくなった、というほうが正しい。

そして、ノートにはもちろんペンが必要なので、Sペンと呼ばれるタッチパネル用のペンがついている。

 

ここから先がすごいのだが、この製品は「画面とペンをセットにしてほらノートだよ」で終わらせることなく、かなり本気で「ノートとはどうあるべきか」のUXを突き詰めて機能に反映させている。

ノートに対して、みんながやりたくなることはなんだろうか?当然、さらさらとメモを取ることはあるだろう。いろんな素材に書き込みたいというのもありがちだろう。素材とは、地図とか、カタログとか、レビュー対象文書とか、そういうさまざまものだ。

この、“ノートに求められる根源的UX”に対して、Samsungはすばらしくシンプルな解を用意した。Sペンにボタンをつけたのだ。

Sペンのボタンを押しながら画面をダブルタップするとどんなときでもSノートというノートアプリが起動する。また、Sペンのボタンを押しながら画面を長押しすると、どんなときでもスクリーンショットがとれてその上から書き込める。いろんなユースケースがあっても、要は画面に映ってるものに書き込みたいんだろ?という当たり前だけど盲点な考え方。

このボタン+ジェスチャーのブレイクスルーによって、いつでもどこでも手軽にメモが取れて、いろんなものに書き込めるという(紙の)ノートのUXをかなりシンプルに実現した。

http://www.samsung.com/jp/galaxynote/image/img_bencon06.png

ベネフィット | GALAXY Note | ちょっと大きいと、すごく使える。

さらに、ボタンを押しながら左スワイプで戻る、ボタン押しながら上スワイプでメニュー、というハードキーの操作をもジェスチャーでできるようにしたことで、本当に「ノートとペンを持ちながらいろいろやる」が実現できるようになっている。

確認しますが、これ、初代製品だからね?まだこういう商品が世の中にない状態からの一発目がこれ。「とりあえず世に出して反応を見る」なんてことはせず、考えうる限り最高に練り込まれてて完成度が高い。こういうことができる会社も開発者も本当に尊敬に値する。

当時の記事でも基本的には絶賛である。

ドコモの大画面スマホ「GALAXY Note SC-05D」を使って、Sペンと手書きの魅力を考える (1) まずは「Sメモ」を使いこなす | マイナビニュース

Sペンを使い倒して、GALAXY Noteのポテンシャルを最大限に引き出せ! 【GALAXY Note SC-05D活用術-第1回-】

 

このほかにも手書き認識アプリをプリインストールしてるとか、「ノート風」カバーをオプションで用意してたり*1とか、手書きした数式を認識する機能を付けたりだとか、Sペンアプリというエコシステムを構築したりだとか、さまざまな観点でコンセプトに忠実に、練り込まれた世界観を作り出している*2

まったくすばらしいとしか言いようがない。

 

たった一つの失敗

さて、これだけべた褒めしたが、実はわたし自身はいま、Sペンを全然使っていない。

なぜか。タイトルに示したとおり「たった一つの失敗」があるからだ。それはつまり。。。。Sペンが持ちにくいんだよ!!!!!ほっせーんだよ!!!ボタン押すのがつれーんだよ!!ということ。

太さがニンテンドー3DSライトのタッチペンくらいでかなり細く、書きづらいのである。それに加え、必要に応じてSペンのボタンを押したり、また逆に押さないような持ち方で持たなければならず、かなり操作が難しい*3のだ。

ということで、すてきな、練りに練られたペン操作UIをまともに使うことはなかったのであります。

 

あとがき

素晴らしく練りに練られた製品であっても、たった一つの過ちがすべてを台無しにする可能性があるよ、という教訓なのでした。

なお、当然のことながらボタンの太さや押しやすさなどは後継のGALAXY Note IIでは改善されましたとさ。

http://www.samsung.com/jp/consumer-images/product/mobilephone/2012/SGH-N025VSNDCM/features/SGH-N025VSNDCM-86-0.jpg

GALAXY Note II (ドコモ スマートフォン) | あなたの日常をもっと楽しくクリエイティブに

 

*1:Kindleもそうだけど、ノートとか本とかいうと、なぜ見開きのカバーをつけるという発想になるのだろうかw

*2:そうそう、片手操作モードも多分これが初なんじゃないかな?

*3:親指で押すか、人差し指で押すかだが、どちらもしっくりこないし、「押さない」持ちかたもしにくい。加えて、Sメモ起動の「ボタン押しながらダブルタップ」のタイミングが結構シビアなのだ