史上最大の変更があったと言われるiOS10ですが、リリースノートに載ってない範囲でも地味に変更があるようです。
今回はそれ系の話です。
純正のメールアプリ、一覧から1つメールをタップすると、右上に戻る/進むボタンが出てきます。以下の画面です。
さて、この<と>の表記、一覧でいう下のメール(古いもの)を表示させたい時、どっちがどっちかわかりますか?
正解は<が下へなんです。
どうでしょう。イメージと逆の人も多かったかもしれません。先に進む=読み進むと判断して、>だと思った人も多いでしょう*1。ここにもひとしきり文句言いたいところですが、とりあえず置いておいて、同じ純正メールアプリのiOS9版を見てみましょう
いや、おい・・・なんで変えたん。いままででなんの問題もなかったじゃんか。上ボタンで上のメール、下ボタンで下のメール。これ以上ないほどシンプルかつ明確で、間違えようがない。
話はさらに続きます。iOS10では、メールのスレッド表示が改善されて、1画面でスレッドメッセージが全部みれるようになりました。ここにも戻る/進むボタンがあって、「次のメッセージの冒頭」「前のメッセージの冒頭」へジャンプできます。
さて、この<と>、どちらが下へで、どちらが上へでしょう?そんなの非スレッドモードと同じに決まってるだとと思ったみなさん。違います。
スレッドモードでは「>が下へ」で「<が上へ」なんです。非スレッドモードでは「>が上へ」で「<が下へ」なんです。わかるかっつーの!頭おかしいんじゃないの?*2
いったいなぜこんなことが起きるのか。
- iOS9の時点でなんの問題もなかったものを「わざわざ」変更した
- 変更して明らかに改悪になったものにだれも気づかない
- 機能間で不整合を起こしていることにだれも気づかない
こういう意味不明なことをする会社はやばいと思う。UCDだとかUX中心ではないなんらかのプロセスや意図が幅を利かせて、デザインプロセスが崩壊しかけていることを予見させる。Apple本格的にやばいんでないか。
ていうかなんでもいいけど早くもどせよ。毎日ストレスなんだよ。
2017/4追記
iOS10.3で元の上下移動に戻ったようです。いったいなんだったんだろ、、、
*1:伝統的には時間軸降順のリストに対する「戻る」「進む」問題というのは存在する。ページは進むけど時間は戻る、どっちのことを指してるねん、と。ソート条件が時間とは限らない場合は諦めて「ページを進める=進む」とすることが多い。ソート条件が時間軸降順しかない場合は、<新しい記事 古い記事>
みたいな表現にして誤解を招かないようにすることが多い。ブログ記事でもそうだよね。
*2:一応フォローしておくと、この挙動に一貫性がないわけではない。一貫して、時間を戻す方が戻る(<)で、時間を進める方が進む(>)なのである。一覧ではメッセージが受信日時の降順に並んでいて、スレッドは起点メッセージから返信メッセージが順に、つまり昇順に並ぶからこうなる