iPhone6の情報がどんどん出てくるようになりました。2サイズ展開になって、大きいほうは5.5インチになるだとか。ほんとか嘘かは分からないですが、ともかく楽しみですね。
さて、それら情報を聞いて、もしかしてiPhone6の発売によって露呈するかもしれないデザインリスクがあるんじゃないかと感じたので、それを紹介しようと思います。
ざっくり言うと、「戻る」操作に関することです。
物理的なリスク
これは難しい話じゃないです。iOSはAppleのヒューマンインターフェイスガイドラインによって「戻る」ボタンは左上に置くことが推奨されてます。でも、これ以上画面が大きくなったら、右手で持った時「戻る」ボタンに届かないだろって話。
ためしに手元にあったGalaxy Note(5.3インチ)を手にとって試してみましたが、「戻る」が配置されるべき場所にはギリで届かなそうでした。なお、ご存知の通りAndroidはだいたい右下あたりに戻る専用ボタンがあるので、画面サイズが大きくなってもそこまで困りません*1。
このリスクは実はiPad miniではすでに顕在化しています。miniは片手で持てて、大体のアプリは片手で操作できなくはないのですが、「戻る」だけがどうにもなりません。わたしも実際困っているのですが*2mini発売以来ずっとスルーされているのが気にかかります。
ほとんどのアプリでは、興味の対象を選択した後、元の画面に戻るときに「戻る」を押す必要があって、要するに使用頻度がとても高いので、このボタンが押せないととっても困ります。
いまさらベースのデザインを変えるわけにもいかないだろうし、どうするつもりなのかな?
インテントにかかわるリスク
iPhone6と同時リリースされるであろうiOS8ではExtensibilityというAndroidのインテントのパクリに近い機能が実装されるらしいです*3。 インテントってのはあれね、画像ひらいて「共有」すると加工するアプリを指定できる的なやつ。URLをタップしたら使うブラウザを指定できる的なあれ。アプリケーション間でデータを受け渡すための仕組み。
Android使ってる人はわかると思うのですが、この機能、最初は結構面食らいます。なんかよくわからないアプリがいっぱい出てくるし、これ、このアプリで開くとどうなるんだ?と不安になる。あとなんか「今どうなってるかわかんない感」に襲われることもある。
そんなインテントと戻るボタンには重要な関係性があると思う。 自由度が高いがゆえにある種の混乱を招く可能性があるインテント。それに対して、アプリケーションフレームとは別のところにある「戻る」ボタンを押していけばとりあえず元に戻れる、という挙動がUX的安心感につながっているから。
さて、ご存知の通りiOSには戻るボタンがない。 スクリーン上には(慣れ親しんだ)アプリの中の世界の「戻る」と、アプリ間連携の「戻る」が混在する可能性が出てくる。どうやって区別するつもりか見ものである。ありがちなのはラベルや形などで区別するってとこかな。
9/9をまつ
インテントが導入されると戻るボタンの役割がさらに重要になるはずだが、それへの対処がまだ見えてきてないというリスクと共に、そもそもそこに手が届かないという物理的なリスクがダブルで効いてきてしまう。
Appleのことだからこのようなデザイン上のリスクを放置することはないだろうが*4、どのような解決を見せてくれるのかたのしみである。9/9に明らかになるのかな?w
くそながい続き書いたよ↓
9/11:短い答え合わせも書いたよ↓
*1:普段iPhoneつかってるとあの戻る操作ってどうも慣れないんですけどね
*2:そもそもminiはずっと文鎮ですが
*3:iOS8でAndroid風のインテントが入るって情報が複数あるけどこれ(UIDocumentInteractionControllerを使ったデータ共有)でもう出来てるような気もする。詳細求む
*4:iPad miniの片手操作性が放置されてるのが若干気にかかるが