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就活OB訪問で聞いたIT業界のF1とタクシー運転手の話

http://www.flickr.com/photos/59319911@N00/4379281690

photo by Ben Fredericson (xjrlokix)

就活してるとき、同じ学校のつて的なもので、とあるSIerの方にOB訪問する機会がありました。

「○○研でXXをやってたんだけど、わかる?」「あー、まあはいイメージだけは」みたいな噛み合ってるんだか噛み合ってないんだかわからんような会話とか、有給とか残業量とか給料とか福利厚生みたいなありきたりな話とかをして、どういう仕事をしたいの?って聞かれた。

 

たしか、「イメージとしてはGoogleみたいな感じの〜っていってもそこまで大げさじゃなくていいんですけど〜アイデアとITの力で世の中をちょっとずつ良くしていけたらいいなあ。たとえば最近XXってあるじゃないですか。あそこで使われてる技術をこうすればこうなると思うんですよ〜」みたいなことを学生らしい口調*1で語ったような気がする。

それに対して彼がいったことがこれ。

 

「多分それはF1ドライバーになりたいってことなんだろうね」

「F1...ですか...?」

「うん。ITってざっくりひとくくりにされるけど、車の運転で言えばF1ドライバーみたいな仕事とタクシー運転手みたいな仕事があるのよ。すごい能力でみんなを感動させる華やかなF1のイメージが強いけど、地味なタクシーとかバスとかの仕事もあるわけ。

タクシーなんて免許あれば誰でもできるって思うかもしれないけど、あれはあれで大変なとこもあるじゃん?絶対事故起こしちゃいけないわけだから」

「ああまあたしかに」

「それにF1はたしかにすごいけど、タクシーとかバスとかトラックとかのドライバーとかがいなくなったら世の中的にすごい困るじゃん。むしろ世の中的に言えばF1はなくなっても困らないけどバスは困るじゃん?」

「はあたしかに」

「だからどっちがいいって話じゃないんだけどさ、ヤバいのはF1ドライバーになりたいのにタクシー業界に入っちゃうことなんだよ。車間を縫うように車を走らせる技術とかいらないし、かたや超効率的なフルブレーキングが必要で、かたや事故のリスクを少しでも減らすために50m前からゆっくりブレーキを踏むことが必要、ってなるわけだからさ。

だから、自分のやりたいこととあわせて、その辺考えて就活してみるといいかもよ。」

 

そして最後に彼はすこし自虐気味(にみえる感じ)でこう言った。

「ちなみに、うちは部署にもよるけどやっぱタクシー屋に近いかなあ」

 

 

もう名前も顔も忘れたし、結局ここには入らず、わたしは今は別の会社でタクシー運転手的な仕事をしてる。いま思い返すとかなり乱暴なたとえであるし、まがりなりにも社会人をやってきて、そのどこに「乱暴さ」があるかわかるようになってきた。

それでもなお、この話は自分の中にかなり色濃く残っている。ひとくくりにされた異なる観点のそれぞれの目的。前回の記事(↓)書いている途中で、ふとこの話を思い出した。

シストレ記事の補足と驚きのソーシャルFX 

 

ちなみに、「タクシー屋ってつまりIT土方的な話ですか?」と聞いて「あれはまた別の話だから」と即答された。いまではその意味もわかるようになってきているw

*1:OB訪問的なもの、受ける側になって思うけど、適当に旬のワードを盛り込みつつ通ぶってしゃべってたなあ、って恥ずかしくなるw でも聞く側からするとそこは魅力なんだけども