少し前にCOCOAの報告書でてました。
一番びっくりしたのはテストを効率化するためにパラメーターを調整(Minimum Risk Score を「1」に設定)してたという記述で、それもうテストじゃないし、何を作って何をテストした認識なんだよ、と*1。
そんなCOCOAに望む追加機能があります。
陽性者との接触記録があった時間に、どこでなにをしていたのか入力できる機能
表題の通り。
COCOAの仕組みをざっとおさらいすると、陽性者が処理番号を入力することで、全COCOAアプリがその陽性者と濃厚接触していないか、(自分の)スマホ上の履歴を探ります。濃厚接触履歴があれば、通知が来ます。今の機能はそれだけです。PCR検査や陽性判定はシステム外で行われます。
さて、スマホの中にはその陽性者と何日の何時何分に接触したかの記録があるので、それに対して、その時どこで何をしていたのかを入力できるようにしてほしいのです。あと、結局自分(被通知者)が陽性だったか陰性だったかも。手入力で構わないし、任意協力でも良い*2。
事実に基づいた分析と対策を
これがあるだけで、「陽性者といつどこで濃厚接触した人が、結果どうだったか」のデータが大量に集まります*3。
本当はなにが危険なのか、事実に基づいた分析が可能になります。例えば、通勤電車は本当に安全なのか、映画館は本当に休業すべきなのか、トラベルは本当に悪なのか。感染経路不明は結局どこなのか。
事実をもとにしたデータによって、効果的な対策が立てられるようになりますし、無駄な対策を強いられることもなくなります。国民に対策の根拠を説明できるようになります。
思えば今までの対策は全然科学的でないように思います。専門家の方は頑張ってるとは思いますが、結果から事象を推測しているようにしか見えないのです。〇〇でクラスタがいくつか発見されてるから、原因は××なんじゃないかとか。専門家かもしれないけど、それ、ほんとに本当なのか?確固たるエビデンスはあるのか?っていう。これを「専門家の方がこうおっしゃってるので」とかいって政府自治体が推進するような事が起きている。
たまにシミュレーションが出てきたと思ったら実効再生産数を仮置きしたシミュレーションだったり、他国との比較による推測だったりと、事実を前提としないものばかりです。実効再生産数が1未満になったら収束するのはあたり前だけど、それを減らす因子はなんなんだよ?っていう。黙食の徹底で実行再生産数が0.25減ると仮定すると、ってその数字の根拠は?っていう。
結局、分析のもととなる詳細な事実ベースのデータがないから推論でやるしかない。全国民の詳細な移動履歴、行動データを分析するなんてできるわけないので、この流れは正しい。けど、COCOAなら(ていうかEN APIなら)それにかなり近いことがもうすでにできてるのです!活用しなきゃ!
分析を別分野の担当者に任せられるのもメリットです。いまは、保健所?の聞き取り調査の内容を断片的につなぎ合わせて説を立てているようにみえますが、この仕組みがあればビッグデータ解析の専門家的なひとに丸投げできて、保健所や専門医の負担も軽減されるでしょう。
もちろん成果物も、仮説より実データのほうが強いのは明らかですからWin-winてやつですな。
COCOAインストール率向上の施策も必要
これができたとしても、そもそも皆がCOCOAをインストールしてくれないとうまく仕組みが働きません。それこそもう1回10万円配って、その配布条件をCOCOAインストールにしてもよいのではないでしょうか。
まあスマホ持ってない人はどうすんだとか言われるかもしれませんが、買えば?としか。10万もらえるんだから2万くらいの格安スマホと楽天モバイルかOCNモバイルあたり契約すればOKなのでは?という。若干不公平感は出るけどまあしょうがない緊急時だしトータルプラスだしってことで。
あとコロナなった時に優先対応してもらえるとかそういうメリットもつくって訴求していかないと*4。
初版とそこから始まるなにやらがあまりにゴミだったのであれですが、アプリ(というかEN API)自体はものすごい可能性があると思うのです。でもインストールしなきゃ始まらない。ゼロベースで作り直すのはもちろん、なんなら名前すら変えてもいいから普及に努めてほしいなあと思います。
まとめ
いまの対策は馬鹿げてます。誰かが思いつきであれは危ないんじゃないかとか言って、それで全部が禁止になったり。
馬鹿げてますが、確固たるデータがないのでだれもそれを否定できない。そんなことを1年もやっている。データを、事実をもとにした分析ができるようにしていきましょう。
まずは1つの機能追加から。よろしく!